住宅街に灯る、TEX-MEXのあたたかな光
踊場駅からほど近い汲沢の住宅街。
静かな道を抜けると、温かい光がこぼれる小さなTEX-MEX※カフェが現れる。
カウンター越しには店主の手際が見えるオープンなキッチン。料理は「ジャンクなのにヘルシー」というギャップが、多くの常連を生む理由だ。
※TEX-MEX:テキサス風メキシカン料理

多様な現場を渡り歩いた先に、飲食の世界があった
原宿生まれの熊谷洋平さん(38)。高校卒業後はトラック運転手、水商売、飛び込み営業など、多様な現場を渡り歩いてきた。
23歳で会社を立ち上げ、物販・仲介・催事などで経験を重ねるなか、倒産寸前の状況からキッチンカーに乗り込み飲食の世界へ挑戦した人物。
人の空気を読む力、迷わず行動に移す胆力、そしてまっすぐな熱量を感じた。
前例のない挑戦
BULLDOG CAFÉの原点は13年前。
当時はまだキッチンカー文化がほとんどなく、銀行にも理解されない時代だった。
それでも熊谷さんは横浜信用金庫を訪れ、前例のない“移動販売として初めての融資”を受けることになった。
書類を受け取ったとき担当者から
「信じたからね、頑張ってね」
と言われた言葉は、今も心に残っているという。
しかし最初の1年は、売上がほとんど立たない日々。雨の日も風の日も出店を続け、少しずつ常連が生まれ、名前を広げていきました。その後は全国を巡る3年間の“旅”を経て、昨年リニューアルし現在の形へ。今ではキッチンカー4台を動かし、都内ランチから大型イベントまで幅広く活躍。「キッチンカーで日本一」「地元に根ざす」その両方を掲げ、挑戦は続いている。
日本人の体質や食文化に合わせた一品を追求
熊谷さんは自他ともに認める“健康オタク”と語る。
メキシコやアメリカで食べ歩いた本場のTEX-MEXに惹かれつつ、日本人の体質や食文化に合わせた“軽さと安心感”をとことん追求している。自慢のメニューはハンバーガーで、肉はつなぎを使わない北海道牛。野菜は生産者単位で安全性を確認。化学調味料は不使用。付け合わせも北海道産のじゃがいもと天然塩でつくられているものを使用。食べた瞬間の満足感と、食後の驚くほどの軽さ。この店の料理は、健康志向でありながら“ちゃんと美味しい”のが魅力だ。

店内には、無料の“びわの葉茶”が常備されている。自然の力を借りたデトックスドリンクで、これも「身体に入れるものは誠実でありたい」という想いの現れ。
その背景には、ある経営者から言われた
「身体の経営ができていないと、どんな仕事も続かないよね」
という言葉がある。
豪快なのに食後は軽やか——この絶妙なバランスが、BULLDOG CAFÉの真骨頂だ。

店内は、落ち着きとライブ感がほどよく混ざり合う。
本来は“完全フラットのオープンキッチン”が理想だったが、施工時にプロからストップが入り、現在の“20cm段差のあるカウンター”が誕生した。結果的にこの段差が、見せ場と作業性を両立させ、心地よい距離感を生んでいる。
カウンターには、ウイスキー・焼酎・日本酒がずらり。日本酒は熊谷さんが築地まで買いに行くほどのこだわりぶりだ。ここならではの楽しみ方が、「タコス×日本酒」。意外な組み合わせだが、相性の良さに驚かされる。
戸塚から、かっこいい挑戦を広げていく
熊谷さんが目指すのは、ただ料理を提供する店ではない。
キッチンカー時代から地域イベントに積極的に参加し、改装前には子どもたちに100円のオーガニック弁当を提供する取り組みも行っていた。「無料ではなく100円なのは、作る人への敬意も一緒に伝えたかったから」と語る。
そして今、挑戦はさらに加速している。オリジナル調味料の開発、企業向けロケ弁、全国イベントへの展開──“戸塚発のブランド”としての未来が広がっている。
「どうせやるなら、戸塚からかっこいいことを広げていきたい。来てくれる人の体にも気持ちにも、ちゃんといいものを届けたい。」
キッチンカー一台から始まった挑戦は、いま再び大きく動き出している。
誰かの日常を少し元気にする一皿を、この街から。
BULLDOG CAFÉの代表熊谷さんの熱い話を、お店にてぜひ!!
BULLDOG CAFÉ
横浜市戸塚区汲沢8-19-3 東明ハウス1F
045-410-7661
https://www.bulldog-cafe.jp/
ほのぼのライター うきょう